2009年 11月 10日
11月のオススメ本!
11月のオススメ本をお届けします。だんだん、充実してきましたね~!
今月から本の画像と紹介文の上下をひっくりかえしました。
◆自伝というより、ココ・シャネル語録という感じで多少ものたりないが、彼女の類稀なる生き方の片鱗をうかがうことができる。孤児院からはじめた人生を、自分の思うように自在に描き生き切った人だ。莫大な富と名声、才能あるキラ星のような恋人たち、そして貧しい天才たちへの経済的援助を惜しまなかった。「女の幸せは愛されることであり、愛されなければ終わり」と語ったらしいが、そのココロは、「自分から愛したら、仕事ができなくなるから」という彼女の仕事至上主義にあった。思い当たるフェミニストもいるかな?
◆「名画で読み解く」というサブタイトルがついているように、ハプスブルク家の歴史を絵画を通して垣間見ることができる。受験勉強としての西洋史丸暗記体験しかない身には、こういう本が面白い。今、公開中の不思議な絵、ポスターにもなっている野菜や果物や花を並べて顔に見立てたジュゼッペ・アルチンボルドの絵は、ルドルフ二世の肖像画。ウィーンのミュージカルや宝塚歌劇で有名な「エリザベート」皇后の絵もある。彼女は美しいけれど、政略結婚や嫁姑関係からくるストレスから「摂食障害」に逃避したのだろうな。
◆タイトルにちょっと引いたが、読むと期待に応えてくれた。100歳前後の方の顔がなんで幼児顔になるのかがよおくわかった。それと、「アメリカ、ヨーロッパで浮世絵の価値を認めたのはなんで?明治維新以降の日本人はなんで浮世絵の価値に気づかなかったの?」という疑問が解けたからである。
ほんと絵画を観るのが楽しくなる。本のタイトルが内容とそぐわないかもね。
◆近代日本のセクシュアリティーの歴史社会学、ジェンダー論などを研究している大学教員である著者は本書で、「子どもは、親や周囲の人たちから愛されるために産まれてくる。それ以外に、産まれる理由は必要ない。」ということを訴えたかっただけと言う。
「男女共同参画社会基本法」を引用しまくりの仕事をしながらも違和感は拭えない私としては、「選択の自由」という理念を強調し、男女共同参画と少子化対策の「不幸な結婚」を憂う内容が大変興味深かった。
一応の推定』広川 純著 文春文庫
◆「まず結果ありき」で推論していくことの怖さをあらためて認識させられた。展開にハラハラしながらも、私たちに馴染みの駅や地名が登場するので、それぞれの空気(?)を感じながら楽しめます。
今月から本の画像と紹介文の上下をひっくりかえしました。
◆自伝というより、ココ・シャネル語録という感じで多少ものたりないが、彼女の類稀なる生き方の片鱗をうかがうことができる。孤児院からはじめた人生を、自分の思うように自在に描き生き切った人だ。莫大な富と名声、才能あるキラ星のような恋人たち、そして貧しい天才たちへの経済的援助を惜しまなかった。「女の幸せは愛されることであり、愛されなければ終わり」と語ったらしいが、そのココロは、「自分から愛したら、仕事ができなくなるから」という彼女の仕事至上主義にあった。思い当たるフェミニストもいるかな?
◆「名画で読み解く」というサブタイトルがついているように、ハプスブルク家の歴史を絵画を通して垣間見ることができる。受験勉強としての西洋史丸暗記体験しかない身には、こういう本が面白い。今、公開中の不思議な絵、ポスターにもなっている野菜や果物や花を並べて顔に見立てたジュゼッペ・アルチンボルドの絵は、ルドルフ二世の肖像画。ウィーンのミュージカルや宝塚歌劇で有名な「エリザベート」皇后の絵もある。彼女は美しいけれど、政略結婚や嫁姑関係からくるストレスから「摂食障害」に逃避したのだろうな。
◆タイトルにちょっと引いたが、読むと期待に応えてくれた。100歳前後の方の顔がなんで幼児顔になるのかがよおくわかった。それと、「アメリカ、ヨーロッパで浮世絵の価値を認めたのはなんで?明治維新以降の日本人はなんで浮世絵の価値に気づかなかったの?」という疑問が解けたからである。
ほんと絵画を観るのが楽しくなる。本のタイトルが内容とそぐわないかもね。
◆近代日本のセクシュアリティーの歴史社会学、ジェンダー論などを研究している大学教員である著者は本書で、「子どもは、親や周囲の人たちから愛されるために産まれてくる。それ以外に、産まれる理由は必要ない。」ということを訴えたかっただけと言う。
「男女共同参画社会基本法」を引用しまくりの仕事をしながらも違和感は拭えない私としては、「選択の自由」という理念を強調し、男女共同参画と少子化対策の「不幸な結婚」を憂う内容が大変興味深かった。
一応の推定』広川 純著 文春文庫
◆「まず結果ありき」で推論していくことの怖さをあらためて認識させられた。展開にハラハラしながらも、私たちに馴染みの駅や地名が登場するので、それぞれの空気(?)を感じながら楽しめます。
by wck-news
| 2009-11-10 00:00
| 本・映画・DVD