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カテゴリ:本・映画・DVD( 49 )

このたび、『家族写真をめぐる 私たちの歴史ー在日朝鮮人・被差別部落・アイヌ・沖縄・外国人女性』 という本がお茶の水書房から出版されました。

家族写真をめぐる私たちの歴史: 在日朝鮮人・被差別部落・アイヌ・沖縄・外国人女性

御茶の水書房


WCKスタッフの一人である福岡ともみも執筆者の一人なのですが、
日本で暮らすマイノリティ女性24人が「家族写真」を通して
私たちの歴史、私たちの表現を語っています。

権力者の歴史ではない、「私たち」の歴史を知ってください。
写真を見て、語りを聴いて、被差別女性のメンタリティを感じていただければと思っています。
フェィスブックを作っていますのでご覧いただけるとうれしいです。
アドレスは以下です。
https://www.facebook.com/kazokushashin/

目次の一部を抜粋しておきます。

序章 なぜ「家族写真」なのかージェンダー、民族マイノリティと表現活動 皇甫康子
第一章 在日朝鮮人女性たち
第二章 被差別部落の女性たち
第三章 アイヌ、沖縄、フィリピン、スリランカ、ベトナムの女性たち
◆萩原弘子さん(芸術思想史、黒人文化研究)に聞く
「家族写真」に写らない話を読み解くー写真という表現メディアのおもしろさ
資料:家族写真をめぐる私たちの歴史年表

今号のWCKニュース(第79号)に掲載した書評を転載します。
「すぐ読める!」と言い切れる位、一気に読める本。とはいえ、内容が薄っぺらいと言っている訳ではない。この本は、まるで…たくさんの織り手がそれぞれのパートを自分の好きなように織っていき、1枚の布になったときに「なんとも言えない味がある」と見惚れてしまうような布…のような本。音楽好きが集まって、それぞれの楽器を奏でる。好き勝手に演奏しているようだけど、それは不協和音ではなく不思議なハーモニーになって聴く側は「聴き入ってしまう」というような本。この本は、24人の女性たちの「家族」がつまっている。1人ひとりがバラバラに家族を書き綴っているようでいて、しっかりひとつの「メロディー」が聴こえてくる…そんな本だ。
 私たちがこれまで触れてきた歴史(主に学校で勉強した歴史)は、マジョリティのなかでも権力を持つ人の歴史だろう。でも、過去が現在につながっているのなら(つながっているのだけど)、本当の歴史は「日々の生活の積み重ね」であるはず。私たちが生きていること自体が歴史を作っていっていることになる。この本の書き手である24人の女性たちは、在日朝鮮人、被差別部落、アイヌ、沖縄、外国人であることと、女性であることを生きている。その「日常のなかにいる家族」。それぞれの家族の物語の登場人物からは、力強さを感じる。その力強さは、見えない者、いない者にされがちな存在である差別されている人が生き延びる強さだと思う。この力強さは、「歴史」のなかでは《ないもの》とされてしまうものだろう。だから、自分の言葉で、力強さをつなげていく必要がある。
 この本は「自分が言わないと語り継がれない歴史」をつなげていくためのバトンでもあると思う。今、「歴史のなかに、自分は埋もれているのか、一部になっているのか、はじかれているのかさえわからない」時代になった。だからこそ、この本に出合えたことが幸せだと感じる。そして、私も、自分の言葉で「私の存在」を語り継いでいきたいと思う。いつまでも「自分の言葉で自分を語り継げる」社会を作る一員でありたいと思う。
                                 (友杉明日香) 
    




                                           
by WCK-News | 2016-08-01 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

加藤 直樹 / ころから



 1923年9月、東京で起きたジェノサイドの事実から目を逸らしてはならない、と思う。著者は、新大久保で生まれ育った。その新大久保でいまヘイトスピーチが繰り返されている。ヘイトスピーチとジェノサイドとの連続性を見つめた著者は、この本によって読者を90年前の事件現場へと導く。現場に立つと胸が痛み、同時に静かな怒りも湧いてくる。本のブックカバーの絵は、子どもたちが大震災のときの様子を書いたもので、虐殺の光景がクレヨンで描かれている。何人もの子どもが描いていて、差別・虐殺が「普通」だったことに驚き、心がざわつく。
 「朝鮮人を殺した日本人と、朝鮮人を守った日本人。その間にはどのような違いがあったのだろうか(略)ふだん、朝鮮人の誰かと人としての付き合いをもっている人の中から『守る人』が現れたということだ。(略)社会は、多くの人の結びつきの網の目でできている。そこには支配、抑圧、差別といった力が働く一方で、そうした力に歪められながらも、助け合うための結びつきも確かにあり、それこそが当たり前の日常を支えている(略)だが、虐殺者は、朝鮮人の個々の誰かであるものを『敵=朝鮮人』という記号に変えて『非人間』化し、それへの暴力を煽動する」(pp146-147)。国家的煽動と民衆の差別意識がコミュニティの「人間らしい関係性」を凌駕した瞬間、朝鮮人をターゲットとした虐殺は始まった。
 この危うさは今にもつながっている。近代国家は戦争とジェノサイドとともに成長してきた。近代国家に、へばりついている差別意識を根絶するのは困難だろう。しかし、日々の生活の中で名前をもつ人間同士の対等で思いやりのある関係性をつくりあげ、公権力の差別性やヘイトスピーチを糾すことはできるはずだ。
 
by WCK-News | 2014-07-13 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

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職場復帰した妻、失業中の夫、生後3ヶ月のベビーが織りなすマンガです。
プロの父親を目指し、専業主夫にチャレンジ。発達障害の理解も深まります。プロチチがバイトを始めた書店の人たちのもつ、「正常を救う」関係性が光っています!(ぱ)


プロチチ(1) (イブニングKC)

逢坂 みえこ / 講談社


プロチチ(2) (イブニングKC)

逢坂 みえこ / 講談社


プロチチ(3) (イブニングKC)

逢坂 みえこ / 講談社


by WCK-News | 2013-12-27 00:00 | 本・映画・DVD

現代思想

現代思想 2013年11月号 特集=ハラスメント社会 セクハラ・パワハラ・アカハラ・マタハラ…

上野千鶴子 / 青土社


『現代思想』11月号の特集「ハラスメント社会」に、WCK代表の井上摩耶子が論考「フェミニストカウンセラーからみるセクシュアル・ハラスメント」を寄せています。
by WCK-News | 2013-11-16 17:11 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)

杉山 春 / 筑摩書房


『ルポ 虐待 ―大阪二児置き去り死事件』
杉山春 ちくま新書 2013年9月

今年3月に懲役30年が確定した大阪市西区の事件。「重すぎる」・・・被告の真情を知りたいと思っていた。
両親との関係で外傷を抱え、集団強姦被害、その後の性衝動・・・。就労経験のない母子がシングルマザーとして社会に投げ出される現実。「解離」という意見書は支持されなかったらしい。「遺族の処罰感情」とは何か。彼女が罵声を浴びせられる存在になったこと自体を考えたい。
by WCK-News | 2013-10-09 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

七つの海を照らす星 (創元推理文庫)

七河 迦南 / 東京創元社



スタッフ3人のコメントです。

☆ 児童養護施設を舞台にしたミステリです。
  帯に“希望のミステリ”とあるように読後感はじんわりくる感じ。

☆ ミステリ調の展開に、児童養護施設の制度上の知識など現状が織り込まれていて
  なるほどなと思わせてくれます。子どもたちのサバイバルする姿が心打ちます。

☆ この本を紹介してくれたスタッフは、たまたま本屋で見つけたのだと聞いて、
  そのことに私はびっくり!
  書店の本棚には宝の本がならんでいるのですよね。 
  一つ一つのエピソードに苦笑いしたり、ため息をついたり・・・。
  施設の若い職員を応援したい気持ちになったり、児童相談所の先輩職員に
  「こういう人っていたりするんだな」と感心したり。
  そして、現実を突きつけられたり・・・でした。
by WCK-News | 2013-09-16 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書 2177)

平田 オリザ / 講談社



日頃、自分の考えと違うところばかり気になり、
かみあわないコミュニケーションにイラ立つことが多いので、
この本を読んで反省しきり。
たとえば、次のようなところに納得した。
共感とは「わかりあえないこと」を前提に、わかりあえる部分を探っていく営みである。
私たちは、社会における様々な役割を演じ、その演じている役割の総体が自己を形成している。
著者は大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授で、
この本はわかりあえないところから出発するコミュニケーション、
そのわかりあえない中で、少しでも共有できる部分を見つけたときの喜びについて
語っているものである。
by WCK-News | 2013-08-01 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

岩波新書から『女たちの韓流――韓国ドラマを読み解く』がでました。著者は山下英愛さん。
はっきりいって、おもろい。
内容は「韓流ドラマのジェンダー分析」ですが、著者自身が、はまってて書いてはるから、その「はまり感」に「そうそう」と共感したり、山下さんと友人の姿が重なって笑えたりします。それに歴史・文化・政治の違いを「なるほどな、そうやったんかぁ」と納得できるし、ためになる一冊です。

女たちの韓流――韓国ドラマを読み解く (岩波新書)

山下 英愛 / 岩波書店


by WCK-News | 2013-06-01 00:00 | 本・映画・DVD

スタッフおすすめ本

ひさしぶりにスタッフおすすめ本2冊です。
下の本のリンク作業のために、これまでの紹介本をながめていたら、
面白そうなのに、まだ読んでない本がいろいろありました。
過去の投稿を読むには、右欄のカテゴリ「本・映画・DVD」をクリックして下さいね。

完全不定期になってしまったこのコーナーですが、
スタッフのみなさん、ご協力よろしく!

精子提供: 父親を知らない子どもたち

歌代 幸子 / 新潮社


(2012年7月出版)
このブログにずっと以前紹介されていた『ひそやかな花園』と同じテーマ。AID(非配偶者間人工授精)。これは小説ではなく、AIDによって生まれた当事者と生殖医療を求める不妊の夫婦、医療関係者への取材が中心。日本では60年前に大学病院で、「男性不妊」の解決策のため、医大生の精子を使っていたことから始まったそうだ。「医療」は、不妊を言い渡し、「子どものいない生活か、養子縁組するか、もしくはAID」とただ三択を並べ、「AIDは周囲にも子どもにも秘密にすること」を勧める。
男性不妊ゆえのジェンダー問題も複雑。
大人になってから真実を知ることになった当事者たちは、これまでの人生が崩れ落ち、自分のアイデンティティが半分無くなったようなショックに陥った経験を語る。取材は、養子縁組で子どもを得た家族にまでおよび、「親子」「家族」「子どもの権利」を考えさせられる。



生きのびるための犯罪 (よりみちパン! セ) (よりみちパン!セ)

上岡陽江+ダルク女性ハウス / イースト・プレス


(2012年10月出版)
薬物やアルコールなどの<依存症>の女性たちの回復と社会的な自立を支援する施設を1991年以降仲間とともにやっているハルエさんと仲間たちの語りでできている。DV被害者支援をしている人や子育て支援の関係者に読んでほしい…ひろめたい。
あとがきには「ひっそりと、でも力強く生きのびているあなたに、少しでもこの本が役に立ちますように」と書かれている。とどけたい。


まだ、読めていませんが、『現代思想』の11号「女性と貧困」特集です。

現代思想2012年11月号 特集=女性と貧困

阿部彩 / 青土社


by WCK-News | 2012-11-04 00:00 | 本・映画・DVD

オススメDVD 「トンイ」

DVD「トンイ」 全60話

17世紀朝鮮王朝、厳しい身分制度の中で宮廷の下働きから、第19代王粛王の側室とな
り、のちの第21代王英祖の母となった実在の女性、淑嬪崔氏(トンイ)の一代記。

私にとって中心は粛王とのラブストーリなのですが、トンイは賎民の秘密組織(奴婢の逃亡を助ける)の頭の娘で、父と兄が濡れ衣を着せられて殺され、罪人の娘として追われる身となり、真犯人を捜し出し父と兄の無念を晴らすために宮廷の下働きとして潜り込むという設定から始まり、最後は賎民のための社会をつくる王とするべく、自分がその手本となって息子を教え育てるという物語です。

ひたすらストイックな「チャングムの誓い」にハマった私が、ラブコメ要素たっぷりの「トンイ」に癒されています。
監督は、「チャングムの誓い」と同じくイ・ビョンフン。
粛王は「チャングムの誓い」のミン・ジョンホを演じたチ・ジニで、いちだんとかっこいいです!
粛王は率直で素直な感情を露わにし、トンイを守るためなら王位を捨ててもかまわないとまで言うけれど、
トンイを愛し、トンイの望むことを行うことが、賎民のための社会をつくることにつながることになるという、
さすが「歴史のエンターテインメント化を実現した監督」の作品です。

トンイ DVD-BOX I

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トンイ DVD-BOX II

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トンイ DVD-BOX Ⅲ

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トンイ DVD-BOX IV

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トンイ DVD-BOX V [本編6枚組]

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by WCK-News | 2012-08-25 00:00 | 本・映画・DVD

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