ウィメンズカウンセリング京都          ☆スタッフblog

wcknews.exblog.jp
ブログトップ

<   2011年 09月 ( 8 )   > この月の画像一覧

山あいには秋が・・・。

 白いすすきの穂が夕日に照らされてきれいで、思わずシャッター
f0068517_2251256.jpg

by WCK-News | 2011-09-29 00:00 | 日々雑感
9月11日に開催した公開講座「LGBTの人たちの望むサポートとは?」
参加して下さったみなさまからいただいたご感想のうちの一部を、ご紹介します。

★当事者や家族の方から聞けて、とても勉強になりました。
基本的にどんな状況でも相手、個人を理解し、尊重することが大事なことだと感じました。

★LGBTの心理的な支援はまだ始まったばかりで、これからLGBTが生きやすい社会を作っていく上で必要なことだと思う。今後はどのような支援が実践されているかを共有できる場が増えればいいと思う。

★当事者のお話をきけたことは、とてもよかったです。
セクシュアルマイノリティとしてひとくくりにしてしまいがちですが、
本当に一人ひとり違うのだと改めて実感しました。
日常の中に、あたり前にある無知からくる差別や偏見。
まず知ってもらうことから、何かが変わっていくのかなと思います。
今日思ったこと…フェミニストカウンセリングというのは「女性の為の…」というよりは、
「マイノリティの為の」「弱者のための」カウンセリングなのだなと思いました。今更ですが…。
本当にその人の為に必要なものを考えてくれるカウンセリングですよね。

★小林さんの親として正直な戸惑いの気持ちや子どもの苦しみやありのままの姿を受けとめていく瞬間の話に胸がつまる思いがしました。「息子との出会いがあったから・・・」という言葉から息子さんも自分自身を肯定しておられるのだなと感じました。
桂木さんのお話にあった「異性愛はカミングアウトしなくていい」ということは、今の異性愛中心社会を象徴していると思いました。

★行政職ですが、学校での「性(生)教育」について、リプロの観点からもっと教育に力を入れてほしいと思っています。しかし、学校教員にはなかなか伝わらずモンモンとしています。今日の話もまた、学校へも働きかけたいと思います。
若くして望まない妊娠をし、単親へ、また児童虐待へ、そのような結果を歩まぬよう…自分の判断で自分を大切に人生を歩む教育に大切なことだと…最近、特に思います。

★いろいろなトラブルがliveでしたが、それはそれでよかった。頭で理解しているつもりでも、LGBTについて当事者やそれにかかわる人々の話をきくと、想像以上に苦しんだり、悩んだりされているのが本当に伝わってきました。
TVではおねえキャラが大人気だけれど、そのことでLGBTの存在を知るきっかけにはなっていると同時にかたよったイメージがついてきてしまう怖さも感じます。
私は今はヘテロだと思っていますが、出会ったセクマイの人とは性的指向などが違うだけで何も変わらない同じ人間です。自分は違うと思わないで多様性を認めること、自分の中の偏見をとりさること、教育の場の機会をふやし、たくさんの大人から子どもに伝えていくことで、「みんながアタリマエ」の社会に少しづつ変えていけるのかなと思います。
性別二元論のくだりはちょっと難しかったので家で考えてみます。

★・男女の区別にこだわるのはきゅうくつだと思いました。
  色々な書類に(男・女)欄があるのは何故だろうかと不思議に感じました。
 ・世の中、何ごとも役割が強いと、それに合わせざるを得ないのは辛い。
  男女のことも含め、柔らかな社会が生きやすいと思いました。
 ・知らないことがわかる。当事者から伺えるのは新鮮です。

★こうした取組を公開講座でとりあげてくださったことがとても嬉しく感じました。
どのようなセクシュアリティの人であっても、最終的にはその人のパーソナリティが一番肝心なような気がします。結局はLGBTであってもなくても、人としてつき合うという点では同じなんだと思います。
それでも差別や偏見のある社会で少しでも抵抗なく生活していけるような環境を整えていけたらと思っています。

★私は体は女性なんですが心の中は男性です。同じ苦しむ仲間と出会うきっかけが今迄なかなか無くて、知人の紹介で出席したのですが、もっともっと自分自身の事を、話を聞いてもらいたいという気持ちがあり、自助会に出席し、仲間と共感し、自分自身楽になりたいです。
どこで自助会が行われているのか知りたいです。

生きづらさは、好きな女性には旦那さんがおられるので告白もできず、女性のふりをして近づき、その女性と仲良くしていることで今は幸せです。もし男性に生まれていたら、違った人生が送れただろうと思います。今まで一度だけ女性とお付き合いをした事が有ります(高校1~3年間)。以後、女性とお付き合いをした事がありません。やはり私と同じ立場の方とお話し、分かち合いを本当にしたいです。

★貴重な集会に参加できて、多く学ぶことがありました。
ここのところ「LGBT」というくくり方にむずかしさを感じています。
とくに、トランスジェンダー(性規範を問う立場)と性同一性障害(GID)を自認する人々(既存のジェンダー規範を前提とする立場)がどのように「対話」できるのか、
また、GIDが注目されればされるほど、性規範やジェンダー規範の問いを抱えざるをえないレズビアンが不可視化されていくプロセスも気になるところです。
とくに、フェミニストカウンセリングとレズビアンは距離がある(?)気もするので、
レズビアンの社会運動に関わっている立場からどのように「対話」を求めていくことが出来るのか、自分自身も考えていきたいと思っています。
by wck-news | 2011-09-22 00:00 | 講座受講者の声
今週末には大阪で、10月には京都で、関西クィア映画祭が開催されます。
手元にあるフライヤー(という言い方でいいのかな?)
から引用させてもらうと、
 「クィア」をキーワードに、「性」とそれに関わる「暮らし・生き方」をテーマとした映像作品を集めて上映する関西で最大規模のお祭りです。
 2005年の7月に第1回が開催され、今年で第6回目を迎えることができました。
 同性愛をテーマにした作品に留まらず、トランスジェンダーやバイセクシュアル、インターセックスなどを扱った映画を日本で最も多く上映してきた映画祭でもあります。

とのことです。

日程は、
大阪(HEP HALL):9/17(土) ・ 18(日) ・19(月・祝)
京都(京大西部講堂):10/21(金) ・22(土) ・ 23(日)

詳しくは、映画祭のサイトでご確認くださいね。
↓↓↓
http://kansai-qff.org/2011/

11月5日には「関西レインボーパレード」もあります!
↓↓↓
kansaiparade.org/2011/



by wck-news | 2011-09-14 00:00 | こんなイベントがあります!
公開講座「LGBTの人たちの望む人たちのサポートとは?」、
終わりました。
ご参加いただいたみなさま、シンポジストの桂木祥子さん、
小林良子さん、ありがとうございました!

DVDは音のトラブルでご迷惑をおかけし、すみませんでした・・・。

このテーマは、これからじっくり考えていきたいと思います。
講座も企画する予定です。
ぜひ、またご参加下さいね。

本日、いただいたご感想は後日、UPさせていただきます。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
by wck-news | 2011-09-11 22:04 | その他
※講座開催日までこの記事がいちばん上にきます。

LGBTの人たちの望むサポートとは?

      ~当事者と家族から学ぶ~


LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、日本でも「性的マイノリティ」の人々を総称的に表す用語として広まりつつあります。先の6月17日には、国連人権理事会でLGBTへの差別と暴力に反対する決議案が初めて採択されました。しかし、セクシュアリティの多様性を否定する見解がまかりとっているのが現状です。そして、男性中心・異性愛中心の世界における「性的マイノリティ」への差別や暴力、排除の問題は、「女性」に対する差別や暴力の問題とも地続きです。
フェミニストカウンセリングは、LGBTの問題に、どのようにかかわることができるのでしょうか?
まずは、性別二元化された社会の中で生活している私たち自身の「性」についての捉え方を、問い直してみるところから始めたいと思います。
性的指向や性自認をめぐるアイデンティティの揺らぎ、「カミングアウト」をめぐる葛藤、社会的偏見や差別の現状と対応策など、LGBT当事者やその家族の人たちの声を聞きながら、一緒に考えてみませんか。
QWRCさん制作のDVDも観せていただく予定です!
 

シンポジスト
 桂木祥子さん (QWRC:多様な性を生きる人々のリソースセンター)

 小林良子さん(NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会東京理事) 
コーディネーター
 大槻有紀子(WCKスタッフ)

■ 日 時: 2011年9月11日(日)午後1:30~4:30
■ 参加費: 1500円     事前申し込みの必要はありません。
■ 場 所: ウィングス京都 2階セミナー室AB    
        京都市中京区東桐院六角下る御射山町262
        ・地下鉄四条駅・阪急烏丸駅(20番出口)
        ・地下鉄烏丸御池駅(5番出口)いずれも徒歩5分
         ※駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。
f0068517_2225167.gif


お問い合わせは ウィメンズカウンセリング京都
TEL:075-222-2133 FAX:075-222-1822 E-mail:info@w-c-k.org 
受付時間 10時~17時(日祝除く)   


※以下に広告が出ることがありますが、自動機能によるものであり、
ウィメンズカウンセリング京都とは無関係です。ご注意下さい。
--------------------------------------------------------------------------------

 
by wck-news | 2011-09-11 00:00 | お知らせ(講座情報など)
公開講座「LGBTの人たちの望むサポートとは」が近づいてきました。
ぜひ、ご参加くださいね!

あわせて、セクシュアリティを考えるためのオススメ本です。

トランスがわかりません!! ゆらぎのセクシュアリティ考

ROS / アットワークス



恋愛のフツーがわかりません!!―ゆらぎのセクシュアリティ考2

迫 共 / アットワークス



「性別が、ない!」人たちとのつきあい方 ~実はあなたにも当てはまる20の性別パターンガイド~

新井 祥 / ぶんか社



インターセックス (集英社文庫)

帚木 蓬生 / 集英社



男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる

橋本 秀雄 / 青弓社



セックス・チェンジズ―トランスジェンダーの政治学

パトリック・カリフィア / 作品社



心に性別はあるのか?―性同一性障害のよりよい理解とケアのために

中村 美亜 / 医療文化社



「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う

堀江 有里 / 新教出版社



同性愛と異性愛 (岩波新書)

風間 孝 / 岩波書店



セクシュアリティの多様性と排除 (差別と排除の〔いま〕 第6巻) (差別と排除の「いま」)

好井 裕明編著 / 明石書店



ついでにDVDも、とりあえずひとつ(シーズン6まであって長いけど)

Lの世界 シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



追加しました。

ヴォイス・オブ・ヘドウィグ [DVD]

アップリンク


by wck-news | 2011-09-08 00:00 | 本・映画・DVD

トキメキ☆成均館スキャンダル<完全版>DVD-BOX1

東宝


韓国テレビドラマ20話。

ベストセラー小説を原作に、ひょんなことから男になりすまして女子禁制の名門校「成均館(ソンギュンガン)」に入学したヒロインと、国の未来を背負う若きイケメンエリートたちが繰り広げる青春ストーリーで、4人の男女が夢と友情、恋を通して成長していく姿を瑞々しく描き出す物語。
時は18世紀。朝鮮王朝時代、第22代王・正祖(チョンジョ)のもと、文化や学術が華麗に花開いた時代 ― しかし華やかな王朝の陰では、政治派閥の老論と少論の派閥争いが激化していた。正祖は蔓延する派閥政治を改革しようと、優秀な人材なら身分と出身関係なく登用し、民を平安に見守る「新しい朝鮮」への改革に心血を注いだー

ヒロインは、女性が学ぶことを許されなかった時代に、幼くして父に死に別れ、病気の弟の薬代のために、男になりすまして、お金を稼いでいた。
命をかけて学ぶヒロインの健気さが気持ちいい。
面白いよ。
by wck-news | 2011-09-06 21:31 | 本・映画・DVD
☆初めての方は、こちらもあわせてお読みくださいね。
⇒⇒⇒「上村知花さんの小説連載のご挨拶(井上摩耶子)」
⇒⇒⇒「上村知花さんのエッセイ連載のご挨拶(井上摩耶子)」


わたし、尚崎露希が入院して一週間が過ぎた。その辺をうろちょろすることもできないし、かと言って病室にも遊ぶものがない。病院って…暇だなぁ~。まだ3日だが、すでにわたしは退屈を知っていた。
「やっほ~♪」
そこに来訪者が現れた。どんな来訪者でも暇な病院ではありがたい。
「芹佳~! 来るのが遅いよ~。忘れられたかと思っちゃったじゃ~ん」
芹佳とわたしは心友なのに、この一週間一度もお見舞いに来なかったの。ひどいよね。
「やはは~、ちょっと用事があって…ごめんね?」
芹佳が胸の前で手を合わせて謝る。
「露希お姉ちゃん! プリントの答え合わせして~!」
えっ? 露希ちゃんに妹がいたの? 初耳なんですけど…しかもわたし、会ったことないし。
「あっ、結理恵~。…と後ろにいるのは都絆菜じゃん! てことはぁ、謝る気になったのかな~? こっちが正しいって認めたのかな~?」
意地悪く笑う露希ちゃんを見て、わたしは思った。…なんだか違うみたい。
「ふん! 誰が!」
都絆菜ちゃん(とさっき呼ばれていた子)がぷいっと顔を背ける。
「露希ちゃん…この子達は…?」
わたしの声にやっと露希ちゃんがこっちを向いた。
「そっか、3人は初対面だっけ。紹介するね、こちらわたしの心友の上條芹佳。で、こっちの好印象な子が都築結理恵」
結理恵ちゃんがペコリと礼をした。そして顔を上げてにっこり笑う。
「あれ…? 結理恵ちゃん、歯が…?」
結理恵ちゃんの前歯が2本ない。
「わたし、こないだ歯が抜けたの。見て、これ」
結理恵ちゃんがわたしに見せたのは小さな袋に入った2本の歯だった。
「わたしの宝物」
そう言って結理恵ちゃんはまた笑った。…歯の少ない口で。
「そんでこっちの気の強いのが飛来都絆菜」
露希ちゃんが紹介するけど、当の都絆菜ちゃんはなにも言わずにどこかへ行ってしまった。
「まだだめかぁ」
意味ありげにそう言う露希ちゃんにわたしは訊ねた。
「露希ちゃん…あの子となにかあったの?」
「…ちょっと喧嘩しちゃって」
困ったように溜め息をつく。
「喧嘩?」
露希ちゃんは筆箱から赤ペンを取り出した。そして思い出したように結理恵ちゃんに渡されたプリントの答え合わせを始め、そのまま話し出した。
「そう、喧嘩。実はねー、この病院で毎月誕生日パーティー…とまではいかないけどそんな感じのことはするらしいのね? それで今月はわたしと結理恵と都絆菜がその実行委員をすることになったんだけど…ことあるごとにわたしと都絆菜が衝突してさ…それで今みたいになったのよ」
…大人気ないよ、露希ちゃん。相手は子供なのに。
「まったく子供だよねー、都絆菜ったら! ほんと参っちゃうよ。…わ! 結理恵! 今回全問正解だよ! 凄いね! おめでとう!」
露希ちゃんはまるで自分のことのように喜んでいる。そんな露希ちゃんの言葉に結理恵ちゃんは、
「やったぁ! 初めて全問正解した~!」
…と万歳を3回して喜びを表していた。…露希ちゃんて、子供の扱い上手いんだなぁ。でも露希ちゃんは昔からそうなんだよね。人の幸福を自分のことのように喜んで、人の不幸を自分のことのように涙を流して悲しむ。そういえばわたしの時もそうだったなぁ…。
「芹佳ー! 一週間もお見舞いに来なかったお詫びに買い物行ってきてよ。この紙に書いてあるの全部! 一階に売店があるからよろしくね☆!」
露希ちゃんはわたしの手にメモを一枚握らせ、背中(わたしの)を押しだした。
「え…ちょっ…露希ちゃん?」
まったく露希ちゃんは強引なんだから。…それも昔から変わってないなぁ。


一階の売店に来ると都絆菜ちゃんが店の前をウロウロしているのが目に入った。
「都絆菜ちゃん?」
声をかけると都絆菜ちゃんはわたしの方へ来た。
「…芹佳…って言うんでしょ? あんた」
「う、うん。まぁね」
呼び捨てされた…しかもあんた呼ばわり。
「そっかぁ…」
都絆菜ちゃんは近くにあった椅子に腰掛けた。
「どうしたの? 売店でなにか買いたいものでもあった?」
わたしが訊ねるとちょっと考えてから都絆菜ちゃんは話し出した。
「…今月はチーコの誕生日もあるからチーコの好きな花をいつぱい飾って誕生日を祝いたいの」
「…」
わたしはその話を聞いてはいたが、内容はよく分からなかった(突然話し出されたし。てゆーかその前にチーコって誰…?)。
「そ、そうなんだ。都絆菜ちゃん、優しいのね。きっとそのチーコちゃん(?)も喜ぶよ」
「でしょ? あたしもそう思う」
途端に笑顔になる都絆菜ちゃん。…こういうのを自画自賛って言うんだっけ? なんだか可愛げがないなぁ。いや、顔はかわいいんだけどね?
「…でも、露希が反対するの」
都絆菜ちゃんがしょんぼり俯いて呟いた(てか露希ちゃんも呼び捨てなんだ…)。
「どうして…?」
わたしはとても不思議に思う。露希ちゃんは子供の純粋な夢を潰そうなんてひどいことをするような子じゃない。それは心友のわたしが一番よく分かっている。こんなかわいい提案、露希ちゃんなら笑顔で賛成してもいいのに…どうして?
「…毎月の誕生日の実行委員が提案したアイデアはたいてい通るけど、通るための条件が一つだけあるんだ。それは実行委員全員がその提案に賛成すること。みんなの気持ちが一つにならないと誕生日パーティーも楽しくならないからって希美花ちゃんに言われたの」
「希美花ちゃん…って?」
「希美花ちゃんはこの病院の看護師さんだよ。田沼希美花ちゃんていうの。すっごく優しいお姉ちゃんで、病院の人み~んな希美花ちゃんのこと大好きなの!」
「そうなんだ~。人気者なんだね」
…てあれ? 田沼希美花ってどこかで聞いたような…でもどこでだっけ?
「もしかして希美花ちゃんのお母さんもここで働いてるの?」
「そうだよ。希美花ちゃんのママはすご~く怖いんだ。チーコも結理恵も怖がってて、お薬の時間に希美花ちゃんママが来たらおとなしくお薬を飲むの。お薬苦くて嫌いだけど、あの人はもっと怖いからって。あたしは全然怖くないけどね」
都絆菜ちゃんが胸を張る。親が怖いのか…じゃあやっぱり田沼ってあの…。
「都絆菜ちゃん、こんなところにいたのね。みんな心配してるのよ、私と一緒にお部屋に戻ろう」
一人の看護師さんが迎えに来た。
「お迎えが来たみたいだね。…都絆菜ちゃん。露希ちゃんは都絆菜ちゃんが思ってるような人じゃない。それはわたしが断言する。自信を持って言えるよ。だってわたしは露希ちゃんの心友だから。チーコちんのことも、きっとなにか理由があるはず。後で露希ちゃんに聞いてみるね。本当のことを知ったら真っ先に都絆菜ちゃんに知らせるから」
「…期待しないで待ってるよ」
最後に都絆菜ちゃんは鼻で笑ってそう言い病室に戻っていった。…つくづくかわいくない。&子供らしくない。…あ、わたしもそろそろ戻ろ。…てかなんでここに来たんだっけ。手を動かすとクシャという音。見ると中にはボロボロの紙。
「あ…!」
忘れてた。買い物頼まれてたんだった。早く買って戻らなきゃ。えーと、赤ペンとカチューシャと…って露希ちゃん、カチューシャなにに使う気? カチューシャつけるの嫌いなくせに。カチューシャなんか売ってるわけないじゃないかーーー!!!
しばらくそこには芹佳の叫び声が響いていた。
by wck-news | 2011-09-05 00:00 | 知花さんの小説『想い出』

フェミニズムの視点にたった女性のためのカウンセリングルーム、ウィメンズカウンセリング京都のスタッフブログです。最新の講座情報やスタッフの雑感などをお届けしています!


by WCK-News