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2011年公開講座報告:LGBTの人たちが望むサポートとは

LGBTの人たちの望むサポートとは-当事者と家族から学ぶ
(2011年9月11日実施)

WCK公開講座「LGBTの人たちの望むサポートとは?―当事者と家族から学ぶー」を、9月11日、ウィングス京都で開催した。シンポジストは、QWRC(くぉーく:多様な性を生きる人々のリソースセンター)スタッフの桂木祥子さん、NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会東京理事の小林りょう子さん、コーディネーターはWCKスタッフの大槻有紀子である。
 LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)は「性的マイノリティ」の人々を総称的に表す用語として広まりつつあるが、セクシュアリティの多様性が受け入れられているわけではない。その「性的マイノリティ」への差別の問題は「女性」に対する差別の問題とも地続きであるという現状認識のもと、本講座は、フェミニストカウンセリングはLGBTの人たちとどうかかわることができるのかという課題に対して、まずは当事者と家族のお話を聞くことから始めたいと開催したものである。

 小林さんは、生まれたときは女の子とされたけれど「本来の自分に戻るために」男性適合手術を受けた子どもさんとのことを率直に話してくださった。自分が生きやすいように生きると覚悟を決めて努力している子どもを適合治療の副作用を心配しながらも受け入れるしかないと決めた親の覚悟の潔さに、私自身の親としての覚悟が問われた気がした。「LGBTの家族と友人をつなぐ会」で親へどうカミングアウトすべきかという相談を受けたときには、「これまでの親子関係次第だから、必ずカミングアウトしなければならないと思い詰めることはない」とアドバイスするという話も納得できた。
 一方で、ジェンダー規範にしたがう子どもさんのことをフェミニストカウンセリングの立場からは少し気になるという話もあって、その気持ちにも共感できた気がした。

 桂木さんは、性を考える指標として、身体の性(sex)、性自認(gender identity)、性的役割(gender role)、性的指向(sexual orientation)の4つをあげ、正しいセクシュアリティがあるわけでなくひとりひとりの性別のあり方は違うということを説明された。
また、「今日からできること」として、①自分自身のセクシュアリティを考えること、②ホモネタで笑わないこと、③それは、本当に性別が必要なことか検討すること、をあげられた。この3つはわかりやすく簡単そうに思えることでありながら、実行するには考える必要がある奥深い意味をもつ行動提起だと思った。そして、QWRCが作成されたDVD「LGBTインタビュー」を見せてもらったが、登場する人たちが魅力的で、インタビューは楽しくて面白かった。高校生向け人権講座セクシュアルマイノリティ入門の教材とのことで、素晴らしい教材だと思った。

 大槻は、本講座の冒頭に、フェミニストカウンセリングを女性が性差別のない社会を目指す立場で女性のために行うカウンセリングと定義したとき、もはや自明ではなくなった「女性」とは誰のことかが問われると指摘した。性別二元論とジェンダー規範・異性愛規範が強制されている社会に生きているからこそ、その規範との葛藤から生きづらさを感じてしまう人たちとともに闘うフェミニストカウンセリングの行く末は、ともに闘う人の多様性によって果てしない可能性を秘めている。そんな地点に私たちが立っていることを再確認できた講座になった。

シンポジストの桂木さん、小林さん、参加してくださった皆さんのおかげである。「本当にありがとう」と「これからもよろしく」という気持ちで一杯だ。皆さん、また、会いましょう!
(さかた ゆきこ ・WCKニュース第60号より転載)
by WCK-News | 2011-11-01 00:00 | WCK公開講座報告

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