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2012年公開講座報告:DV家庭で育つ子どもたち

9/16公開講座「DV家庭で育つ子どもたち」 報告           

DV家庭で育った子どもたちには一人ひとり異なる苦しみや悩みがある。「子どもたちは自然に回復する」なんて嘘である。そういう子どもたちもいるだろうが、私の出会った子どもたちは皆、心に誰にも語れないものを抱えて苦しんでいた。「誰にも話したことなんてない」「そんなこと友だちに言ったらおかしいと思われるよ」子どもたちはそう話してくれた。子どもたちは話を聴かれていない。
公開講座は井上摩耶子(WCK)の参加者にむけた「安全保証のお願い」から始まった。自分の体験を語ると言ってくれたお二人のサバイバーズミッションに応え、彼女たちがこれから社会に対して信頼感をもって歩むための時間にするという意味が説明された。
 Aさんは、まず「2年くらい前まで他人の人生を歩んでいたみたいだった」と現実感のない感覚を表現してくれた。引きこもったことも、ナイフを持ち歩いたことも、人の笑い声が多方向から聞こえたこともあるそうだ。そして、DVについて「力の弱い人に向けるゆがんだ愛情」で、「必ずしも悪ではない」「あの父と会ったから立ち向かう強さをもらった」という考えを語ってくれた。
 Bさんは、小学生のころ何も説明されずに母親と家を出た体験から話が始まった。面接交渉にまつわっての傷つき体験や、様々な場面で父と母の間で引き裂かれるような辛さを感じたことが語られた。DVの心理的影響としては、大きい音が苦手で、震えが止まらない、電車の通過の音が人の叫び声に聞こえて苦しかったこと、兄弟にも影響が出ていることなどを話してくれた。そして、最後に「DVの根絶は難しいと思うから、逃げた母子への法整備と周りの偏見をなくしてほしい」と結んだ。
 お二人の話に心を動かされた私たちだが、質疑応答の時間にはそれぞれ親としての、子どもとしての、支援者としての体験を分かち合った。参加者の方たちにも感謝である。私は彼女たち自身のレジリエンス(回復力・弾力性)とカウンセラーという聴き手の存在に感動した。
「誰も知らない」ことを語ってくれたお二人に応えて、私たちの今日からがある。 
                             (竹之下雅代・WCKニュース第64号より転載)
by WCK-News | 2012-11-01 00:00 | WCK公開講座報告

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