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2006年 08月 07日 ( 1 )

フリーダ DTS特別版
/ アスミック
ISBN : B0000BZ4J3

キッと見据えた眼差し、その上に置かれた地続きのような濃い眉は強靭な意志の象徴か! 
華やかな雰囲気の奥に秘められたものは一体何?
チラシに浮き上がったフリーダの写真に惹かれ、何の予備知識も持たず映画館に足を向けた。

画面に映るメキシコの風景は明るく、モチーフのひとつひとつが実に強く自己主張をしてくる。
降りそそぐ太陽と乾いた空気には決して重苦しい景色は似合わないはず。
しかし、スクリーンの中で躍動するフリーダの姿が一転した。

彼女が乗り合わせたバスが大きくカーブを切った後、路面電車と衝突したのだ。
字幕の文字の少なさがもどかしく焦れた。
彼女に何が起こったのか咄嗟に判断がつかない。
ほどなくして解ったことは彼女の身体が取り返しのつかない無残な姿に変わっていたということ。
腰に鉄棒が貫通し、脊髄、鎖骨、肋骨が折れ、骨盤が砕け、右足が潰れるという瀕死の重傷。彼女の人生の振り子が何の前ぶれもなく大きく傾いた瞬間である。
そして図らずも美術史を塗りかえる画家の誕生であったと言えるだろう。

生涯に三十数回もの手術と、肉体を切り刻む苦痛との闘いが、キャンパスに描かれた数々の自画像と二重写しとなって異様な迫力で迫ってくる。
偉大な壁画家ディエゴとの結婚は、彼女自身が抱えた空虚感を満たす生への衝動だったのか。
47年の短い生涯は、引き裂かれた自己の統合を切望して止まない苦悶をキャンパスに求め、昇華させていった道筋と言えるだろう。
 
ある本の一節に、フリーダの絵を世界に引き出したのは、ドイツのフェミニストだったとある。
メキシコ革命とそれに続く時代に、自己の内面を凝視し、女性の性に関わる出産や、堕胎をも率直な眼差しで表現していたフリーダに「ビバ・ラ・ビダ(生命万歳)!」

                                     (WCKニュース第29号より転載)

フリーダ・カーロ―引き裂かれた自画像
堀尾 真紀子 / 中央公論新社
ISBN : 4122033535




映画「フリーダ」の公式ホームページ(2003年、映画公開時の情報です)
by wck-news | 2006-08-07 09:15 | 本・映画・DVD

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