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2012年 07月 01日 ( 1 )

「女性と貧困」について考える    周藤由美子

はじめに
WCKでは、4月15日に京都で反貧困ネットワーク京都と共催で公開講座「女性と貧困 ジェンダーの視点で当事者目線で考える」を開催した。赤石千衣子さん(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事、反貧困ネットワーク副代表、東日本大震災女性支援ネットワーク世話人)、伊田久美子さん(大阪府立大学教員、女性学研究センター長)、丸山里美さん(立命館大学教員、女のおしゃべり会)の3人のシンポジストのお話をまず簡単にまとめたい。

 赤石さんのお話

● なぜ女性の貧困が見えにくいのか?
貧困問題が社会問題化したのは「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」に関するメディアの報道であり「派遣村」だった。若い男性がネットカフェで寝泊まりして日雇い派遣で働くしかない「男性の貧困」を取り上げたものだった。しかし、様々な貧困のデータからは、「女性の貧困」の深刻さが浮かび上がる。(「女性はほぼ全年代で男性より貧困」「女性の半分以上が非正規雇用労働者」「若い女性の非正規化が激しい」「高齢女性の貧困も深刻」) 
なぜ女性の貧困は注目されなかったのか。それはこの社会の「正社員男性片働きシステム」=「女は扶養され家事育児の担い手」と大きくかかわっている。

● 若い女性の貧困 
財団法人横浜市男女共同参画推進協会が2009年4月に行った「若年女性無業者の自立支援に向けた生活状況調査」では、彼女たちの生活上の困難な体験は「職場の人間関係トラブル」「学校のいじめ」「精神科・メンタルクリニック通院」「一か月以上の服薬」「親など家族からの支配・期待が重荷」「食べ吐き、過食・拒食」「不登校」「家族からの暴力・虐待」「性被害」など。多重的に困難を抱えていて、結婚や将来の暮らし方が見通せない状態にある。しかし、仕事に不安や困難を感じながら働きたいと希望しているのだ。

彼女たちへの支援として、マイクロソフトが支援して各地で講座を開いている。横浜では「若年女性のためのガールズ編しごと準備講座」がある。彼女たちは携帯メールはできるがキーボード操作には慣れていない。講座でも最初は緊張してストレスで何度もトイレに行ったりしていた。そこでリラクゼーションや自己肯定感のワークなどをする。卒業生には「めぐカフェ(就労カフェ)」を開いて練習させている。

● シングルマザーと貧困
日本のシングルマザーの就労率は約84%で世界でも3番目に高いけれど、就労収入は平均171万円と非常に低い。手当や養育費などを含めた平均年収でも213万円で、父子家庭の年収は421万円で2倍くらいの収入がある。
2003年から国の母子家庭施策は就労支援に力をいれ、その代わりに児童扶養手当の有期化(5年で半額)をすすめた。(しんぐるまざあず・ふぉーらむなどの運動で、児童扶養手当の半減は凍結させている。)しかし、この施策は失敗した。日本のシングルマザーの就労率は国際的にも最高なのだ。もし就労支援をするなら、質の高い、正社員で、ワークライフバランスの取れる仕事に就けるような支援であるべきだった。
シングルマザーになってすぐに働かなければならないときに仕事・住宅・保育すべてをカバーできるか?そんなときにキャバクラが寮や託児所完備と宣伝してくる。一時的でもキャバクラで働こうかなと思うシングルマザーがいても不思議ではない。子どもたちとの時間を持てるという誘惑は大きい。
 大阪の幼児置き去り事件は、母親(被告)へのバッシングがすさまじかった。しかし、被告は困難な生い立ちの中で孤立していたにも関わらず、布おむつや母乳での子育てなど「よい母親」をめざしていたが、仕事・保育・住居すべてが揃ったのは夜のキャバクラ・風俗だったのだ。また、彼女はシングルマザーの支援策を受けていなかった。この事件はシングルマザーの貧困を放置した結果の、社会によるネグレクトではなかったか。
 また、シングルマザーが福祉を受けるためには「男の影」があってはならないというプレッシャーも大きい。宇治市の生活保護受給の際の誓約書のように「男がいるなら扶養してもらえ」という規範がある。これは日本だけでなく全世界的なことで、「クローゼットに男を隠しているだろう」と言われる。

長いのでたたみます。続きはこちら!
by WCK-News | 2012-07-01 00:00 | WCK公開講座報告

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